日本に流通するまぐろの種類とは?

目次

刺身や寿司として広く好まれているまぐろ。

世界で水揚げされる4分の1のまぐろが日本で消費されているとも言われています。

今回はそんなまぐろの種類や部位についてご紹介していきます。
まぐろの仕入れや店頭で選ぶ際に参考にしてみてください。

まぐろは、サバ科マグロ属に分類されている赤身の魚です。

まぐろは、寝ている間も泳いでいるというイメージがありませんか?

これは、まぐろが回遊魚の1種であるためです。
泳ぐスピードがとても速く、泳ぐことによって呼吸ができるのです。
そのため、まぐろは生きている間にとまることはありません。

ちなみに、「カジキマグロ」という魚は存在しないと言われています。
この魚の正式名称は「カジキ」です。

食感がまぐろと似ている、まぐろ漁の際に一緒に釣れることから、まぐろと混同してカジキマグロと呼ばれることが多いのです。

生物分類上は、スズキ目・メカジキ科/マカジキ科に属するため、マグロとは別の魚なのです。

マグロ属に分類される魚は世界に8種類あると言われています。

・クロマグロ(本マグロ)
・タイセイヨウクロマグロ

・ミナミマグロ(インドマグロ)
・メバチマグロ
・ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)

・キハダマグロ
・イソマグロ
・コシナガマグロ

なかでも、今回は日本で流通量の多い6種類の特徴についてご紹介していきます。

 

クロマグロ(本マグロ)

クロマグロは、「本マグロ」や「クロシビ」とも呼ばれています。
まぐろ類の中でも最高級品で希少価値が高く、「黒いダイヤ」と言われています。

日本沿岸を含めた太平洋の熱帯・温帯地域に広く生息し、体長は約3メートル、体重400キログラム以上に達することもあります。

味・色が濃く大トロが多いのが特徴です。
そのため、刺身や寿司として食べられることも多いです。

ミナミマグロ(インドマグロ)

夏が旬で、クロマグロに次ぐ高級魚として知られています。
独特のうま味と甘みが特徴とされています。

名前のように、南半球に広く生息しているまぐろです。
成魚は最大245センチメートル、体重260キログラムに達する中型種です。

メバチマグロ

メバチマグロは、ピンク色の身とさっぱりした味わいが特徴です。
トロが少なく、わずかなトロも筋が多いため、刺身よりも焼いて食べられることが多いです。

世界中の温帯・熱帯地域に広く生息し、旬は11月~12月頃です。
他のまぐろと比べると、目が大きく、それが名前の由来にもなっています。
成魚は、全長250センチメートル、体重210キログラムにも達することもある中型種です。

ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)

回転寿司などで定番のまぐろです。
全体的に白っぽく、淡泊な味わい・やわらかい食感が特徴です。
冬に旬を迎えます。

全世界の熱帯・温帯地域に分布しており、まぐろのなかでも安価なため、缶詰やコンビニなどでも見かけることがあります。

成魚は、最大全長140センチメートル、体重60キログラムとまぐろの中では小型種です。

キハダマグロ

黄味がかった見た目により「キハダ」と呼ばれることも多いです。
赤身がさっぱりしており、脂が少ないため、刺身だけでなく缶詰の材料やネギトロとして食べられることも多いです。

キハダマグロの旬は夏で、正解中の熱帯・亜熱帯海域に広く生息しています。
成魚は最大全長239センチメートル、体重200キログラムに達する中型種です。

コシナガマグロ

コシナガマグロの成魚は、最大100センチメートルほどで、あまり見ることのないマグロです。

旬は冬で、脂がのっている身は刺身として食べられることも多いですが、春や夏などの時期にはあっさりとした味わいを楽しむことができます。

 

 

まぐろだけでも、大トロや中トロ・赤身など種類があります。
ではそれぞれ具体的にどの部分を指しているのか見ていきましょう。

まぐろを大きく分けると、カマ(頭)・胴体・テール(尾)の3つにわけることができます。
さらに、胴体は背と腹に分かれ、頭から尾まで縦に3つに分けてかみ・なか・しもと分けられます。

 

主な部位

 

○赤身

胴体の中心部分にある赤身は、「かみ」・「なか」・「しも」のそれぞれによって筋の入り方が異なります。
また、脂身が少なく、あっさりしているのが特徴です。

○大トロ

大トロは、マグロの部位の中でも最も高級品とされる部位です。

1番脂がのっている部分で、胴体の中でも腹の「かみ」や「なか」にあります。
とろけるような食感と濃厚なうまみを楽しむことができます。

○中トロ

中トロは胴体の腹側の「なか」と「しも」、背側の「かみ」・「なか」・「しも」からとることができる部位です。
トロが取れる範囲は広いので、脂や色などバラツキがあることもあります。

赤身のうまみと適度な脂を楽しむことができます。

珍しい希少部位

○脳天

脳天はまぐろ1本から2個しかとれない希少部位です。
頭部の目の上のあたりの部位です。

大トロや中トロのように脂がのっていますが、くどくなくさっぱりとしています。
さっと炙ったりタタキにして食べられることが多いです。

○目玉

目玉もまぐろ1本から2個しか取れません。
コラーゲンやビタミンB1・DHA・EPAなどの栄養素がたくさん含まれています。

煮つけなどで食べられることが多いですが、スーパーなどで見かけることはあまりありません。

○カマ

カマは人間でいうと首の部分のことで、頭の横についているヒレ部分です。

泳ぐときによく動かす部分なので筋肉が多く、身がしまっています。
また、腹部の大トロがついてきて大トロと一緒に楽しむこともできます。

焼くと肉のような食感となるため、表面は刺身、残りは塩焼きなど多くの楽しみ方があります。

また、特に脂がのっている部分は「カマトロ」と呼ばれています。

○ほほ肉

名前の通りマグロのほっぺの部分です。

繊維が多く弾力があるので、多くの場合ステーキや塩焼きなど火を通して食べるのが一般的です。

○尾(テール)

マグロの尾の部分にも肉があります。
たくさん泳ぐマグロは尾の骨も太く肉質も引き締まっています。

しっかりとした食感で食べごたえがあるので、ステーキや竜田揚げ・テールシチューなど様々な楽しみ方があります。

種類や部位を見分けてマグロを用意しても、そのまま置いておいたらどんどん鮮度が落ちてしまいます。

マグロに限らず、魚類や肉類は時間が経つにつれドリップと呼ばれる水分が出てきてしまいます。
スーパーで並ぶトレーに赤い汁が出ているのを見かけたことはありませんか?

実は、このドリップと呼ばれる汁により、変色したり臭みが出てしまうのです。

一般的に、マグロを保存する際はキッチンペーパーなどで包み、ドリップを適度に吸収しながら冷蔵や冷凍で保存します。

そんなマグロやお魚の保存に適したキッチンペーパーが「まぐロール」です。

まぐロールは、プロの料理人や飲食店でも使用されています。

なぜ、まぐロールが広く使われているのでしょうか?

まぐロールの1番の特長は、変色の防止です。
新鮮なまぐろやお魚を用意しても、時間の経過とともに赤黒く変色し、臭みも出てきてしまいますが、まぐロールは変色の原因となるドリップを適度に吸収することで、色合いを保持することができるのです。

また、吸水性に加えて保湿性も高く、食材の水分を吸収しながら乾燥も防ぐことができるのです。

まぐロールという商品名ですが、マグロの変色防止・鮮度保持のみならず、他の様々な用途でも使うことができます。
例えば、揚げ物や天ぷらの敷き紙・フライパンの油・まな板の拭き取りなど使用方法は魚介類に限りません。

さらに、完全国内生産で有害物質を含まないため、様々な場面で食材に触れるキッチンペーパーとしての安全性も高いのです。

 

今回は、日本で流通するまぐろの種類や部位につてご紹介してきました。

それぞれの種類や部位ごとの特長を料理に活かせるように、ぜひ仕入れやまぐろの購入の際に参考にしてみてください。